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明け方何種かの鳥の鳴き声が聞こえる。
我々が聞く鳥の声と彼らが自身で聞く声は一致しない。
それは聴覚の問題としてではなく、シンプルに体躯の大きさの問題である。
音は必ず媒介される。
媒介されたものとしての音。
何において媒介されるか?
音響現象それ自体全てにおいて。
認識を経由しない音は無いと我々が断言する前に
響いている。
故に我々と彼らの不一致は断絶を意味せず音の単一性を示している。
音はふたつにならない。
聴くこと、響くこと。
とどのつまり 私自身が/自身も 鳴っている。
ここには同一性も同時性もないが一元的な事実が示されている。
私が聴いてる この音 と鳥たちが聴いている この音 はひとつである。